投資対効果を最大化するアトリビューションモデルの進化系

あなたが次の旅行を計画していたら、引越しをしたいと考えていたら、またはクルマの買い替えを検討していたとしたら? 様々なブランドやメーカーとかなりの回数、場合によっては10回以上接触するかもしれません。この場合、ブランドのマーケティング担当者はどの広告が最も効果的だと判断するのでしょうか? 顧客の興味が購入に転換するシナジーとは何なのでしょう?マルチチャネルに跨るマーケティングの支出に対する効果は時間的な経過とともにどう変化するのでしょう?

特に衝動買いではなく、意図して購入するような商品の場合、全ては潜在顧客が最後に目にする広告や最初のバナー宣伝で決まると考えるのは単純化し過ぎです。顧客とのタッチポイントは、タイミングとその順序付けが重要になります。

例えば、潜在顧客に新車の試運転の予約をしてもらうことが狙いで、テレビコマーシャルを22時に流すのなら、そのフォローアップはどういった方法で、どのタイミングにするべきなのでしょう?潜在顧客が予約をしたいと思うのに必要な情報を得られるタイミングや気分になるのはいつなのでしょう? その時、彼等が手元に持っているデバイスは何なのでしょう?

これらの疑問は、アトリビューションモデルを採用することで解決します。これは、マルチチャネルでのマーケティング活動における売上貢献度を測定するための手法です。この手法によってキャンペーンを軌道修正したり、コンバージョンを最適化するための施策を調整することが可能となります。

従来のアトリビューションモデルは、最初または最後のタッチポイントをコンバージョンのきっかけと想定するような、説得性に欠けるアプローチを取っていました。これでは顧客のチャネルを跨った動きや、オフラインでの活動を考慮してないため、偏った推奨をしてしまう可能性があります。

マーケティング担当者が必要なのは、真の因果関係を解明できる予測力と、従来のモデルでは無視してしまっているマルチチャネル間の関連性を捉えることです。

洗練されたアトリビューションモデルは、ひとりひとりの顧客ごとに、リアルタイムに機能する高度な分析を使用しています。顧客に訴求する深いインサイトを取得し、コンバージョンを最大化する施策を支援します。例えば、以下のような:

• ダイレクトメールを送付した後、即座に効果が出るのはどのマーケティングチャネルか?
• 週末に効果があるのはどのチャネルか?
• バナー広告のターゲットを変るべきタイミングなのか?

バナー広告、メール、YouTube広告などは有効性が時間とともに衰退しますが、それぞれのカーブは異なります。数十億の広告を目にしている何百万人の顧客から得られる粒度の細かな、時系列のデータを使い、マルチチャネルにおけるコンバージョンの「影響度」をアルゴリズム法で決定します。

ビューアーがスキップすることができない数秒間のYouTubeの広告よりも、1通のダイレクトメールの方が長く記憶に残ります。ダイレクトメール手法は、高コストですが、適切な状況で実施すれば効果が高いので再び人気を呼んでいます。例えば、あるテーマパークの家族向けシーズンパスを$500で販売する場合、ダイレクトメールをデジタルメディアと連携させて適切な相手に送付すれば効果が出た事例もあります。

顧客の信用調査、アプリの使用状況、在庫の有無など、購入経路以外の重要な要素も、マーケティングのタッチポイントを組み合わせることで、予算を効果的なタッチポイントに振り分けられるようになります。これには非構造的なタッチポイントログを扱える柔軟なデータモデルが必要です。アルゴリズムとデータを統合するツールを組み合わせることで、高度な情報がリアルタイムで入手でき、必要なアクションが見える化され、見込み客の絞り込みができるようになります。

デジタルチャネルは増加し続けているため、マーケティング担当者は投資対効果が最も高いチャネルと顧客を選択するという課題に常に直面しています。マルチチャネル対応の高度なアトリビューション分析が、顧客単位からチャネル別に集約されたレベルまで、全てのマーケティング施策やメディアの効果を明らかにします。マーケティングの投資対効果の改善に大いに貢献することでしょう。

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筆者の紹介

Dr. Mark Howland  Antuitヨーロッパのバイス・プレジデント
Sanjay Gopinath   プロジェクト・コンサルタント&データサイエンティスト

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