私がビッグデータ分析の会社を立ち上げた理由
〜残念な分析プロジェクトに足りない2つの要素とは〜

「なぜ分析会社をはじめたのですか」と聞かれることが多い。以前は名前の知られた会社のマネージメントの一角にいたし、日本では聞き慣れない業種に興味を持たれるからかもしれない。その背景には、私が以前から抱えていた問題意識がある。それは、日本にはビッグデータがもたらすパワーを活用できている企業があまりにも少ないということだ。

グローバルでみると、ビッグデータを徹底的にビジネスに活用するのが当然のこととなっている。全面的に経験と勘に頼るのではなく、データとサイエンスに基づく経営判断をしなくては、激しい競争を勝ち抜けなくなってきている。


ビッグデータ活用に不可欠な2つの要素

当然日本企業も、ビッグデータの活用についてはさまざまな取り組みをしている。ビッグデータ先進国である欧米発の様々なツールも多数日本に入ってきており、成功事例をみると、ツールさえ入れれば素晴らしい結果が待っているかのように感じてしまう。でも、よくその説明の詳細を確認してほしい。実はツールを使いこなすためには2つの要素の準備が不可欠であり、これらはツールを使う顧客自身が用意しなくてはならないのだ。そして多くのプロジェクトが、その部分をクリアできず残念な結果に終わってしまう。では、その2つの要素とは何か。

ひとつはデータだ。ただし、どんなデータでも用意すればいいというものではない。分析の世界では“Garbage in, garbage out”というがどんなに優れたツールや分析手法でも、インプットであるデータの種類・品質に問題があれば、有用な結果が出る可能性は極めて低い。

ビッグデータ分析の肝は、社内外に存在する様々なデータを統合して使うこと。使用するデータがどこにあって、異なるデータの定義がどこまで合っていて、そもそもそれらのデータは使用可能なのかなど、データの準備には大きな手間と高度なスキルが必要だ。実際このステップでつまずくケースは非常に多い。

2つめの要素は、データを解釈して、ビジネスシナリオに落とす分析のスキル。これは広い意味でのデータサイエンティストの仕事である。Excelレベルのデータであれば、訓練によってある程度はカバーできる。しかし、さらに高度なこと、つまり本格的なビッグデータ分析には、統計の知識や様々な分析手法を熟知している専門家が必要だ。そして、このような人材を育成するのは困難だ。


ビッグデータの力を多くの企業に

ここに、私がAntuitの立ち上げに参画した目的がある。私はこれまで何度も海外発のツールを活用したコンサルティングを行ってきた。そこでいつも歯がゆかったのは、データ、ビジネスシナリオ作りの2点をしっかりサポートする体制が我々になく、顧客の責任範囲と規定していたこと。この部分がボトルネックになり、多くの顧客が「ビッグデータがもたらす次のパラダイム」に踏み出すことができなかった。

Antuitはこの2点を生業としており、世界有数のスキルや経験、視点を持った専門家がそろっている。その力を使い、分析の元となるデータと分析の専門家、この2つの要素をしっかりサポートすれば、多くの日本の顧客がハードルを越えることができると信じている。そんな形で社会貢献を目指しているのがAntuitという会社なのだ。


Antuit株式会社 代表取締役 釼持 祥夫