成功するパーソナライゼーションに必要なデータ分析とは

先日、近所のスーパーでワインを買いました。翌日「お得意様キャンペーン」というメールがきたので興味をひかれて見てみると、買ったばかりのワインをさらに安い値段でオススメする内容。「ワインはあるから今はいらないよ!」「買った直後に値下げするなんて」と残念な気分に——。似たような経験、ありませんか。

お客さまの「好みの商品」を、「必要なタイミング」で、「最適なメディア」でお届けする。そんなマーケティング施策を「1:1マーケティング」「パーソナライゼーション」と呼びます。考え方は分かりやすいけど実践がとても難しく、効果的に活用するには顧客のニーズを正確にくみ取ることが欠かせません。(ニーズの分析に失敗すると冒頭の例のような事態になってしまうことも…)

そこでAntuitでは、大量のデータからニーズを理解するためのプラットフォームを提供しています。


顧客のニーズ理解に必要な2種類のデータ

顧客を理解するには、性別や年齢、居住地のようなデモグラフィック情報と、オンライン・オフラインを含めた情報収集から購買までの経過や、SNS活動といった行動情報統合して分析します。プラットフォームの観点で考えると、デモグラフィック情報は更新頻度こそ低いものの常に最新の状態に更新されるべきものです。例えば転居前の住所にダイレクトメールが届いては困りますよね。一方の行動情報は高頻度に追記されて集計が容易であることを期待されます。データが複雑すぎて1日の売上集計に1日以上の時間がかかるのでは使い物になりません。

このようにデモグラフィック情報と行動情報は、それぞれ要求が異なるため、別々のシステムとして運用していることも少なくありません。特に行動情報は、Webサイト訪問や購買など行動の種類に応じてシステムが独立しているケースもあります。こうしたシステムやデータの仕様を把握し、統合して管理することがデータから顧客を理解する第一歩と言えます。多様なデータがあればあるほど多角的に顧客を理解することが可能です。


分析に適したデータ形式を設計する

統合したデータを分析するには、橋渡しのステップが必要です。同じモノでも見方や視点によって違う印象を受けることがあると思いますが、データにも同じことが当てはまります。データを保存および蓄積するために最適な形式と、分析するために最適な形式は異なるのです。

例えば飲料を継続的に購入する顧客の場合、購買情報は1件ずつのデータレコードとして管理されています。5日続けてコーヒーを買うと、5件のレコードが独立して蓄積されます。これを分析する際は、用途に応じてデータの扱いを設計します。曜日や時間など顧客の来店パターンを知りたい場合は時間情報で並べますし、無糖や加糖などの栄養成分表示の志向性を知りたい場合は商品ごとの特性を付与します。

5日続けてコーヒーを買った顧客は、同じ時間に同じ店舗で同じ商品を買ったのでしょうか。一緒に買った商品も同じでしょうか。理解したい特徴に応じて、データを使えるようにする工程、すなわちデータ変換方法が変わります。

顧客のニーズは継続的に変わっていく、という点も重要です。先ほどの飲料の例では、好みのブランドが変わった、缶コーヒーからボトルコーヒーに変わった、コーヒーではなくお茶を飲むようになった、他の人に頼まれて買い物に来た、それ以外にも様々な場合が考えられます。経時変化には季節変動も影響します。アイスコーヒーを買っていた顧客がホットコーヒーを買うようになった要因は、好みの変化でしょうか気温の変化でしょうか。前年と比較したくなることでしょう。


「人の判断」+「ツール」で因果関係を読み解く

こうした指標はサービスによって異なりますので、ベストプラクティスが確立されたものもあれば、未開拓の領域もあります。特に、新しい市場や製品およびサービスが出現してニーズが多様化している領域では、見るべき指標が変わっていくことも多々あります。指標を検討するために膨大な特徴の組み合わせを評価する必要もあるでしょう。システムの演算処理の結果として相関関係を得ることはできますが、そこから因果関係を見出すには勘と経験も重要です。

このように、顧客のニーズを理解するには、現行のシステムおよびデータの把握と統合、分析の設計と用途に合わせたデータの変換、継続的な評価が必要になります。人の判断が必要なこととツールがサポートできることを上手く組み合わせて、事業と顧客の双方の変化に柔軟に対応できること、それがプラットフォームに求められる条件です。


Antuitのパーソナライゼーションの強み

Antuitのパーソナライゼーションのプラットフォームでは、データレイクに半構造化データを蓄積しておき、ユースケースに応じてデータを変換して分析を実施します。商品のSKUが増加すると購買の組み合わせパターンも膨大になりますので、多様な顧客ニーズを理解する上では数百から数千に渡る特徴の組み合わせを評価する必要があります。こうしたデータ処理にはApache Sparkを始めとするデータ分析に適したソフトウェア基盤を使います。顧客の特徴を様々な観点から比較することにより、潜在的なニーズも探し出せます。

Antuitは、データを分析するデータサイエンティストと、データを処理するデータエンジニアの協働作業により、顧客ニーズの理解に必要な工程をワンストップで提供。その中には現行のシステムやデータの把握と統合から、分析の設計、用途に合わせたデータの変換、継続的な評価までが含まれます。パーソナライゼーションをご検討のみなさま、ぜひお気軽にAntuitへご相談下さい。

筆者の紹介

Antuit株式会社
ビッグデータ・アーキテクト 北崎 茂

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